一口に製材といっても、森の中の一本のマツの木がお客様のお手元に届くまでにはたくさんの工程を経ることになります。
ここではその工程を簡単にご紹介いたします。
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原木仕入れ
弊社の扱う地松はすべて中国地方を中心とした全国の「原木市場」というところから調達しています。
原木市場は地松丸太との最初の出会いの場。地松の原木一本一本と真剣に向き合って、「競り」または「入札」というオークション形式で手に入れたい地松の丸太を買い付けます。
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皮むき
山から切り出され、原木市場を経由して運ばれた丸太は選別ののち、「チェーンバーカー」と呼ばれる皮むき機に投入されます。地松の樹皮を剥ぐことで山から切り出される最中に噛んだ小石を取り除くことができます。これは製材の時に製材所の命でもある「帯鋸」と呼ばれるのこぎりの歯を傷めないため。
また剥がされた樹皮はバイオマスエネルギーとして、人工乾燥機の熱源に利用されます。
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製材(粗挽き)
木の外観・形状・年輪からその素性を予測し、一本の丸太をどのように製材していくか(木取りと呼ばれます)を決め、それに従って慎重に製材していきます。
高値で手当てをしたのに、いざ鋸を入れてみると思ってもみないところから節やヤニツボが出ることも珍しいことではありません。
粗挽きは一本の丸太が最終的にどのような製材品になっていくのかを決める最重要な過程の一つです。
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割れ止め
粗挽きした製材品は放っていたら必ず表面割れが起こります。しかし敷居や鴨居、框などの造作材や「芯去り材」と呼ばれる高価な材には表面割れは許されません。
せっかく丁寧に挽いたものに割れを起こさせないように、弊社では一本一本丁寧に専用の塗料を塗っていき、人工乾燥に備えています。
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人工乾燥
製材された木材は、その用途によって最適な含水率(木に含まれる水分の割合)まで下げることが必要とされます。その過程で必要となるのが人工乾燥機です。
乾燥機内の温度・湿度・風・時間の組み合わせによってつくられる「乾燥スケジュール」は無限にあります。
針葉樹のなかでも特に割れやねじれの起こりやすい地松の短所を最小限に抑えながら、目標とする水分まで下げるため、経験に裏付けされたオリジナルの乾燥スケジュールによりおよそ2週間かけてじっくりと製材品の含水率を落としていきます。
弊社では地松本来の色艶を損なうことのないよう、中温乾燥(70℃前後まで)と呼ばれる乾燥方式を採用しています。
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養生(ようじょう)
人工乾燥により含水率を下げられた製材品を、外気と数カ月間なじませることで木材の中の水分の偏りを解消していきます。このステップを省いてしまうと、いくら最適なスケジュールで乾燥された松材でも、仕上げ挽きの直後に曲がったりねじれたりすることが多々起こり得ます。
特にフローリングなどの伸縮がデリケートに問われる材では最低でも3カ月以上の養生期間をおくことにより、限りなく平衡含水率に近づけることが必須となります。
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仕上げ挽き
伐採から製材、乾燥を経て長い時間をかけて養生された材料を、受注に応じて一本一本挽き直しをしていきます。ここで当てずっぽうなところに鋸の刃を入れてしまうと、せっかくの今までの過程が無駄になってしまいます。
木の表情から節やヤニツボなどの欠点がどこからどう出てきそうなのかを予想し、経験に裏付けされた木取りにより丁寧に仕上げていきます。
この過程が終わるとあとはお客様のもとへ出荷されていきます。
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